すき焼今朝は明治十三年、牛鍋屋として創業し、大正の終わりにすき焼と名を変へたものの、すき焼一筋、百三十余年の歴史を刻んで参りました。

創業以来、醤油ベースの秘伝の割り下を守り、吟味した食材に加へ、松阪牛を始めとするＡ五ランクの最高級黒毛和牛のみを使用し、板前が包丁で薄く手切りにすることを続けてゐます。東京の食の伝統文化を継承し、日本酒だけでなく、すき焼と相性のよいワインとのマリアージュを考へ、世界に誇るすき焼を広めていきたいと存じます。それは単なる継承ではなく、次の時代へ新たに挑戦していくことこそが、私五代目の使命です。

このたび、耐震工事による改装に合はせて、キーヤン（木村英輝さん）に壁画を描いていただきました。階段を上がる時に「和牛と葡萄」に吃驚することでせう。

従業員一同、お客様お一人お一人にご満足いただけるやうに、そして、健康な食文化の創造のために日々努力を重ねて参ります。